おおいわ消化器クリニック

おおいわ消化器クリニック,名古屋市,中区,内視鏡

〒460-0004 愛知県名古屋市中区新栄町1-3
日丸名古屋ビル8階
TEL:052-959-5560

名古屋市胃がん検診(内視鏡)
院長ブログ

ドクターズファイル

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ピロリ菌

ピロリ菌と胃がん

ピロリ菌は胃粘膜に住む細菌で、慢性胃炎胃・十二指腸潰瘍胃がんなどを引き起こすことがわかっています。
以前は80%程度の感染率がありましたが、現在では日本人の3人に1人がピロリ菌に感染していると言われています。

また、ピロリ菌に感染するとほぼ100%慢性萎縮性胃炎になり年間0.3%程度(10年で3%、30年で9%)の胃がんの発生があることがわかっています。
ピロリ菌感染がなければ、胃がんになることがほとんど(0.4-0.7%)ないこともわかっています。

近年、ピロリ菌の治療(除菌)により消化性潰瘍の再発が予防されるだけでなく、胃がんの発生を2分の1から3分の1に減少させることがわかってきました。

ピロリ菌の感染時期は乳幼児期であることがわかっており、母子・父子感染など家庭内で感染すると考えられています。両親がともにピロリ菌陰性であれば子供がピロリ菌に感染する可能性は極めて低くなると思われます。そのため次世代への感染対策として早いうちに感染の有無を知り除菌することが重要です。(現在中学・高校生の感染率は3-5%と報告されています)

さらに早期に(若いうちに)除菌すればするほど、胃がんの発生を抑える確率が高くなると言われています。

年齢にかかわらず、一度はピロリ菌の有無を調べてみる価値はあります

ピロリ菌除菌の効果

  • 胃がんの発症予防効果が多数報告されています
  • 慢性胃炎の改善効果が認められています
  • 多くの胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発を予防します(NSAIDといわれる鎮痛剤などによる潰瘍は除く)
  • 胃ポリープ(過形成性)の消失や縮小が期待できます
  • 機能性ディスペプシアの方には除菌治療が非常に有効な方がいます​​
    •  機能性ディスペプシア:胃の症状があるのに検査をしても異常のない状態
  • 胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病などでは治療の第一選択とされています
  • 慢性蕁麻疹・パーキンソン症候群・アルツハイマー病・糖尿病などでも除菌の効果が期待されています
​2016改訂版 H. pylori 感染の診断と治療のガイドライン より
 
除菌後の再感染率は1%以下とされています
その理由は現在の生活環境では自然感染の危険が極めて低いことや、成人での感染は急性胃炎を起こすことはあっても持続感染は少ないという事実によります。

保険診療対象となる方

  • 内視鏡検査または胃エックス線造影検査において、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の確定診断がなされた方
  • 胃MALTリンパ腫
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 早期胃癌に対する内視鏡治療後の方
  • 胃内視鏡検査において慢性胃炎と診断された方

初回の除菌治療に失敗しても再除菌治療(二次除菌)が健康保険で認められています。

治療成績は向上しており、現在初回の除菌治療では約90%、二次除菌を含めるとほぼ100%の除菌が可能です
当クリニックでも一次除菌率は90.2%で、二次除菌率は今のところ100%です。(平成29年3月31日現在)
(ただし他院で一次除菌を失敗して二次除菌を当クリニックで受けられた方のなかで。1人だけ二次除菌に失敗された方がおられます)

上記の条件を満たさない場合、保険診療はできませんので、内視鏡検査はほぼ必須と考えてください。

ピロリ菌感染の診断

  • 迅速ウレアーゼ試験:当院では最もよく行います。内視鏡検査中に慢性胃炎を確認すると同時に​検査できます。生検組織を必要とします。判定時間は20分〜2時間。当日結果がわかります。
抗菌薬や一部の胃薬(プロトンポンプ阻害薬)などを内服している場合は正確な判定ができません。
  • 血中ヘリコバクター抗体:抗菌薬や一部の胃薬(プロトンポンプ阻害薬)などを内服している場合は血液検査で調べます。結果は数日後になります。
​当院では上記2つの方法をおもに用いています。
 

ピロリ菌の除菌判定

 
呼気中13CO2分析装置
除菌治療後は菌数が減少するために正確な検査が必要です。当院ではガイドラインに沿って下記検査を行っています。​​除菌薬内服終了後、4週間以上経ってから検査する必要があります。
  • 尿素呼気試験:30分ほどで結果がわかりますので当院ではおもに行っています。朝、食事を取らない必要があります。抗菌薬や一部の胃薬(プロトンポンプ阻害薬)などを内服している場合は正確な判定ができません。
  • ​​便中抗原測定:内服薬の影響を受けないとされ、正確な診断ができますが、結果は後日となります。
  • 血中ヘリコバクター抗体:除菌薬内服後、半年以上間隔を開ける必要があります。
除菌治療したら必ず除菌判定を行わないと、除菌できていないことがありますので、面倒がらずに判定をしてください

除菌証明書の発行

除菌証明書の発行  
  • 当院では尿素呼気試験によりピロリ菌の除菌を正確に確認しています
  • ​​除菌が確認できた場合は証明書を発行しています

除菌後の注意

  • ​​​除菌が成功すると胃がんになる危険性は減りますが、ピロリ菌感染が全くなかった人と比べると胃がんの危険ははるかに高いので、定期的な胃の内視鏡検査は必要です。 
  • 名古屋市民で50才以上の方はワンコイン胃がん検診(内視鏡)を利用されることをお勧めいたします
  • 除菌成功後に胃食道逆流症が出現することがあります
  • 肥満や脂質異常症などの生活習慣病の出現も報告されています
  • 胃の調子が良くなっても食べ過ぎはいけません

自費診療対象となる方

  • 再除菌に失敗した方(三次除菌目的)
  • 内視鏡検査はしないで検査・治療を希望する方
  • ピロリ菌に感染しているかどうかだけ調べたい方
  • 胃がん予防のためピロリ菌の除菌治療のみを希望される方
  • ペニシリンアレルギーで除菌できないといわれた方
  • ABC検診を受けたい方
いずれの方もピロリ菌陽性であれば、除菌しても胃がんになる危険はわずかに残りますので、「胃がんがないこと」を証明するために定期的な内視鏡検査をおすすめします。
  • 三次除菌の成績は約70%という報告があります(当クリニックにおいても同程度です)
  • 四次除菌やペニシリンアレルギーの方の除菌成績はまだまとまった報告がありません。抗菌薬内服の期間や量が増えますので副作用の危険性はやや増えます。

ABC検診とは(胃がんリスク層別化診断)

胃がんリスク層別化診断であるABC検診は「ヘリコバクターピロリ菌の感染の有無を調べる検査」と
「胃炎の有無を調べる検査」を組み合わせて、内視鏡検査なしで胃がんになりやすいかどうかをリスク分類するものです。健康保険が使えないので、自費診療になります。 費用:5000円(税抜) 内容:血液検査のみ

 【ABC検診の対象外となる方】

  • 上腹部に明らかな症状のある方(保険診療の対象です)
  • 食道・胃・十二指腸疾患で治療中の方(保険診療の対象です)
  • 胃酸分泌抑制薬を2ヶ月以内に服用されている方(陰性になることがあります)
  • 胃を切除した方(陽性になることがあります)
  • 腎不全の方(陰性になることがあります)
  • ピロリ菌の除菌をされた方(除菌が済んだ方の判定はできません)

ピロリ菌がいないと判定できるA群以外の方にはピロリ菌の除菌定期的な内視鏡検査を強くおすすめします。
 

  A群 B群 C群 D群 E群
(除菌後)
ピロリ菌(HP)抗体 - + + - -/+
ペプシノゲン(PG)値 - - + + -/+
胃がんの危険度     ※1
胃の状態 胃粘膜萎縮はない 胃粘膜萎縮は軽度 胃粘膜萎縮が進んでいる 胃粘膜萎縮が高度 胃粘膜萎縮は改善しない
1年間の胃がん発生頻度 ほぼゼロ 1,000人に1人 500人に1人 80人に1人 ※2
画像診断 不要 定期的に胃内視鏡検査を受ける 具体的には医師と相談
ピロリ菌除菌 不要 必要 必要 他のHP検査で
陽性なら必要
除菌成功後
なら不要

※1 除菌成功より胃がん発生リスクが30%に低下
※2 除菌後胃がんの48%が除菌後3年以内に、34%が除菌後5年以内に発見

【ピロリ菌抗体】ピロリ菌は慢性胃炎・胃十二指腸潰瘍・胃がん・胃ポリープなどの原因として注目されています。
【ペプシノゲン検査】萎縮性胃炎の有無およびその程度を調べます。胃粘膜萎縮は胃がんのリスクとなります。